OpenAIは2026年10月26日、社内のエンジニアがCodexの高速モード「Ultrafast」をインシデント(障害)対応に使っている事例を公開しました。この記事ではCodex Ultrafastの使い方を、発表に書かれている事実にそって整理し、個人のエラー調査やコードの手直しにそのまま当てはめられる頼み方まで落とし込みます。パソコンでの調べ物に時間を取られている会社員やフリーランスにも関係する話です。
要点
- UltrafastはCodexの高速モードで、OpenAIのエンジニアにとってインシデント対応の既定の手段になっている
- 複数の原因候補を同時に調べられるため、自分の注意を分けずに答えを受け取れる
- データセンターセキュリティのアーキテクトは、以前1〜2時間かかっていた調査が10〜15分になったと話している
- 答えが30秒以内に返るかどうかが、作業の流れを切らさない分かれ目になっている
- 待ち時間が短くなることで、後回しにしていたリファクタ(既存コードの作り直し)や面倒な定型作業まで任せる対象が変わる
何が発表されたか
Codexの高速モード「Ultrafast」
Ultrafastは、Codexの中にある高速モード(high-speed mode)です。OpenAIのエンジニアにとっては、インシデント対応の既定の手段になっていると説明されています。何かが壊れたとき、問題が広がっていく間に数分待っている余裕はないことが多く、Ultrafastを使えば複数の原因候補を同時に調べながら、注意を分散させずに答えを得られるとしています。
コア・エージェントチームのAdam Perry(Member of Technical Staff)は「同じくらい賢い二人のうち、一方が1時間後に返してきて、もう一方が1分後に返してくるなら、後者のほうがはるかに優れている」と語っています。
インシデント対応での使い方
Aaron Friel(Member of the Technical Staff)は、インシデント対応用のSlackチャンネルを立ち上げ、そこでCodexに問題を向けて、監視と調査、そして入ってくる質問への回答を頼んでいます。「どのインシデントでも、何が悪かったのかをたどる道筋はいくつもあり、正しい干し草の山から正しい針を見つけることがチャンネルにいる人の主な仕事だ」と述べ、Ultrafastを使うことで「それらの干し草の山を事実上すべて同時に探せるので、インシデントへの対応がずっと速くなる」としています。
AJ Trbojevic(Member of the Technical Staff、Datacenter Security Architect)によれば、セキュリティ問題の調査は、構造化・非構造化のデータを集め、形をそろえ、判断のための文脈を用意するのに以前は1〜2時間かかっていました。「今はそれが10分から15分で終わる。ときにはほぼリアルタイムだ」と語っています。
Adam Perryは、以前はCodexに調べてもらいつつ、待ちきれないので自分でも同時に調べていたと振り返ります。今はCodexが十分に速いため、注意を分けずに目の前の作業に集中できるようになったとしています。Sayan Sisodiyaは、インシデント中にログを掘るだけでなく、疑わしい変更への言及や似た症状について話している人がいないかをSlackの中から探す使い方を挙げています。
30秒という目安とリファクタ
Jeff Niu(Member of the Technical Staff)は、AIで答えを見つけるのに30秒以上かかるなら、その間にSlackを見たり同僚と話したりしてしまうと話します。Ultrafastでは、ほとんどの作業がその目安の内側に収まるようになりました。以前は質問を投げて別の作業に移り、戻ってきたときには考えの流れを失っていましたが、今はやりとりがそのまま続くため、手元の作業に集中していられるといいます。
Ultrafastによって、Jeffは大きなリファクタにも取り組む気になったとされています。既存コードの作り直しにかかる時間が減ったためで、「技術的負債は、これまでのどの時点よりもずっと返しやすくなった」「コードは安く、しかも今はとても速く作れる。以前は大きな代償を伴ったリファクタが、ほとんど即座に終わる」と語っています。
日々の相棒としての使い方
Adamは、自分が「chief of staff(参謀)」と呼ぶCodexのスレッドを継続して使っています。毎朝そのスレッドが、その日の会議と、返信を忘れているかもしれないメッセージを教えてくれます。要約を書くためにすでにデータを見ているので、追加で質問しても取りに行く待ち時間が発生せず、実際の参謀のように同じ会話の中で質問を重ねられるとしています。
Sayanは、ブラウザでのフォーム入力のような退屈な手作業もCodexに任せています。以前は遅すぎて避けていた作業で、ブラウザを開いて5秒考え、何かをクリックしてまた止まる、という状態だったといいます。最新モデルのcomputer use(パソコン操作)の改善によって任せやすくなり、クリック作業を代わりにやらせても自分でやるより時間を損しない速さになったと述べています。
なお、この記事はOpenAIが自社の技術やAPIを社内でどう使っているかを紹介するシリーズの一部で、社内で使われているものを、各チームでの活用例として共有したものです。
個人の仕事や学びにどう使えるか
発表されているのは社内の事例ですが、頼み方の型は個人の作業にも置き換えられます。
エラーの原因を同時に当たる
社内SEやWeb制作のフリーランスが「昨夜から特定のページだけ落ちる」といった状況に出会ったとき、原因を1つずつ試すと時間が溶けます。発表では、複数の原因候補を同時に調べる使い方が中心に紹介されています。そこで最初の依頼に、症状、起きた時刻、直近に変えた内容、ログやコードの置き場所をまとめて渡し、「考えられる原因を3つ挙げ、それぞれの裏づけになる箇所を同時に探して、根拠付きで報告して」と頼みます。返ってきた候補のうち怪しいものについて、同じスレッドの中で質問を重ねていくのがポイントです。
後回しにしてきたコードを手直しする
学び直し中の人や、業務ツールを自分で作っている非エンジニアの担当者にとって、動いているコードの整理は後回しになりがちです。発表では、作り直しにかかる時間が減ることでリファクタに取り組みやすくなったと語られています。「この関数の役割を3行で説明して」「同じ処理の重複をまとめる案を出して、変更点を一覧にして」のように、説明と提案を分けて小刻みに頼むと、返ってくる量が多すぎて確認できない状態を避けられます。
朝の状況整理を1つのスレッドで続ける
事務職やプロジェクト管理の担当者であれば、スレッドを毎日作り直さず1本を使い続ける形が参考になります。発表の事例では、要約を作るために必要なデータを先に見ているので、追加の質問に待ち時間が生じにくいとされています。最初に見てほしい範囲を伝えておき、その後は同じ会話で「この件の経緯だけもう一度」と聞き足していきます。
会社・チームで使うときのポイント
チームで使うなら、調査の記録を残す場所を先に決めておくと効きます。発表の事例では、インシデント対応用のチャンネルを立てて、そこでCodexに監視と調査、質問への回答を任せる形が取られていました。あわせて、どの情報までAIに渡してよいかを社内ルールとして決めておくと、個人ごとの判断にばらつきが出にくくなります。株式会社デジライズは法人向けAIリスキリングサービスで導入社数No.1(東京商工リサーチ・2026年3月末時点)で、法人での導入や研修をまとめて考えたい場合はデジライズに相談できます。
使う前の注意点
まず、今回の内容はOpenAIが社内での使い方を紹介したもので、記事の中でも社内で使われている例として共有されたものだと説明されています。「1〜2時間が10〜15分になった」という数字も、OpenAIの環境で特定の担当者が話した内容です。自分の手元で同じ時間になると考えずに、まずは小さな調査で試して所要時間を自分で測るのが安全です。
Codex Ultrafastを使える条件や提供範囲、対応するプランについては、使う前に公式のヘルプで最新の情報を確かめてください。ブラウザのクリック作業を任せる使い方も、最新モデルのcomputer useの改善を前提として語られているため、どのモデルや環境で同じことができるかは公式の案内で確認するのが確実です。業務のログや社内のやりとりを渡す場合は、勤務先の情報の取り扱いルールも先に確認しておきましょう。
まとめ
Ultrafastは、Codexの高速モードとして、OpenAIの技術スタッフがインシデント対応や朝の状況整理、リファクタに使っているものです。待ち時間が短くなると、後回しにしていたリファクタや、ようやく任せる価値が出た定型作業まで、引き受ける範囲そのものが変わるとまとめられています。Codexの頼み方を順番に身につけたい人は、デジライズAIスクールのコース一覧から「1.Codexをはじめる」のように基礎から並んだ講座をたどってみてください。デジライズAIスクールは個人向けのオンラインAIスクールで、動画は990本以上あります。
出典
この記事は、各社の公式の発表をもとに AI で下書きし、出典の本文との照合とGoogle 検索による事実確認(ファクトチェック)を通ったものだけを公開しています。
