Google Cloud Blogは2026年9月25日に記事を公開しました。記事では、agent harnessという言葉を生んだRyan Lopopoloの考え方を紹介しています。AIエージェントへの指示の出し方を探している人に向けて、依頼文だけでなく、作業の前提や確認方法をどう整えるかを解説します。
要点
- 最初に「目的」「参照してほしい資料」「守る条件」「完成の判断基準」を分けて渡す。
- 分からない点を推測して進めるのか、質問して止まるのかを指定する。
- 出力の見た目だけでなく、途中で何を確認してほしいかも伝える。
- 失敗のたびに言い回しを変える前に、資料やチェック手順を見直す。
何が発表されたか
記事では、AIエージェントを大規模言語モデル(LLM)とagent harnessの組み合わせとして説明しています。ハーネスとは、モデルの外側で、必要な情報や道具を作業につなぐ仕組みのことです。例として、Gemini 3.8 Flashを使うGoogle Antigravityが挙げられています。
記事によると、支援なしのモデルは、そのままでは現在の状況を確認したり、作業環境を操作したりできません。つまり依頼文に「うまくやって」と書くだけでは、何を根拠に判断するかが曖昧なままです。記事は、リポジトリに構造化された文書、明確なインターフェース、見つけやすい道具があれば、毎回長い説明をプロンプトに貼り付ける必要はないと説明しています。リポジトリとは、ここでは開発に使うファイルや文書をまとめた場所です。
Ryan Lopopoloは、モデルが成功できる環境を整えないまま指示を出す状態を「prompt and pray」と呼んでいます。実践上のポイントは、長い呪文のような一文を探すことではありません。相手が参照できる材料を用意し、判断に迷う箇所を減らすことです。「一発で」を目指すなら、結果の保証を期待するより、最初の依頼で手戻りの原因を減らすと考えましょう。
例えば、次の順番で依頼を組み立てられます。
目的:何を完成させたいか。
前提:参照する資料と対象範囲。
制約:変えてはいけない点、避けたい表現や操作。
進め方:不明点があれば、推測する前に質問する。
完了条件:提出物と、確認してほしい項目。
資料を渡せない場合は、参照したことにせず、その条件を依頼に明記してください。完成条件も「いい感じに」ではなく、読者や用途に合わせて自分が確認できる形にします。
個人の仕事や学びにどう使えるか
営業職が提案文の下書きを頼むなら、相手に伝えたい要点、使ってよい手元の資料、避けたい断定、希望する長さを分けて書く方法があります。「資料にない数字は補わず、不足している情報を先に挙げて」と添えれば、どこを自分で確認すべきか整理しやすくなります。完成稿を受け取ったら、資料と照らして主張を確認しましょう。
フリーランスの制作者なら、依頼主の要件と変更してよい範囲を先に切り分けるのが出発点です。例えば「見出し案だけを作り、本文は変更しない」「候補ごとに狙う読者を一言で示す」と指定します。成果物の形式を決めると、頼んでいない部分まで直されたかどうかも見分けやすくなります。
学び直し中の人が練習問題の解説を頼む場合も、答えをすぐ示す代わりに「まず自分の解き方のどこで迷ったかを質問して」と依頼できます。正解を得ることと、考え方を身につけることのどちらを目的にするか、依頼前に決めておくとよいでしょう。
会社・チームで使うときのポイント
記事は、基準を環境に組み込む例として、リンター(書き方の規則を確認する道具)、テスト、AGENTS.mdを挙げています。チームでは、担当者ごとに異なる長文の指示を書く前に、共通の資料、変更禁止の範囲、完了時の確認項目をそろえる方法が考えられます。例外が出たら、指示文だけでなく、共通資料のどこを直すべきかも振り返ってください。法人で導入・研修を考えるなら株式会社デジライズへの相談も選択肢です。
使う前の注意点
Google Developers Blogは、行動の評価例として、曖昧な指示を受けたエージェントが推測せずに確認の質問をするかどうかを挙げています。依頼する側も「不明点があれば質問」「確認できない内容は未確認と示す」など、望む対応を先に書くとよいでしょう。
外部の資料や作業環境を扱う依頼では、渡してよい情報と実行してよい操作を自分で確かめてください。特に変更を伴う作業は、小さな範囲から始め、結果を確認してから次へ進むのが無理のない方法です。利用するサービスの条件が気になる場合は、使う前に公式のヘルプで最新の提供範囲を確かめましょう。
まとめ
AIエージェントへの指示は、巧みな一文を探すより、前提・制約・完了条件をそろえるところから始められます。まず一つの作業で依頼のひな型を試し、期待と違った点を次の資料や確認項目に反映してみてください。体系的に学びたいならデジライズAIスクールのコース一覧も参考にできます。
出典
- Agent Factory recap: Agent harnesses, shifting left, and autonomous coding
- The Anatomy of Harness Engineering: How to Evaluate, Iterate, and Guard AI Coding Agents
この記事は、各社の公式の発表をもとに AI で下書きし、出典の本文との照合とGoogle 検索による事実確認(ファクトチェック)を通ったものだけを公開しています。
