ExcelでAIを使って集計したいのに、表をどう準備し、何と頼めばよいか分からない。そんな人に向けて、CopilotのExcelでの使い方を、作業を始める前の確認から順に整理します。この記事で分かるのは、次の内容です。
- 表を見直すときの考え方と「テーブル化」で迷ったときの判断
- 集計・分析・数式作成を頼むための依頼文の組み立て方
- 公式ヘルプに沿った開始手順と結果の確認ポイント
- よくあるつまずきへの対処と職種別の使い方の例
要点(先に結論)
- 最初に決めたいのは、どの表を対象に、何を、どんな形で見たいかです。「集計して」だけでなく、対象の列、集計単位、確認したい結果を依頼文に含めるとよいでしょう。
- ExcelのCopilotは、テーブル、グラフ、ピボットテーブル、数式などのExcelツールを使って要求を完了します。まず集計・数式・傾向の把握のどれを頼むか決めると、依頼を組み立てやすくなります。
- 表のテーブル化を考えている場合も、先に見出しや値の意味を自分で確認しましょう。この記事では、テーブル化を利用条件とは位置づけず、表を読み違えないための準備として扱います。
- ExcelのCopilotには編集、計画、チャットのモードがあります。ブックを変えたいのか、先に進め方を考えたいのか、変更せずに質問したいのかで使い分けます。
- 結果を受け取ったら、元の表と突き合わせて確認しましょう。Copilotが行った変更も、最終的に使う数値や式も、自分の目的に合っているかを見ることが大切です。
最初につまずく表の準備
テーブル化の前に表の意味を確認する
「Copilotを使うには、まずテーブル化しなければ」と考える前に、手元の表を読める状態にすることから始めるとよいでしょう。ここでいうテーブル化は、表をExcel上で扱いやすい単位に整えたいという作業上の検討です。必要条件や操作方法を示す言葉として使っているわけではありません。実際の操作を進める際は、ExcelのCopilotの公式ヘルプの手順に沿って確認してください。
たとえば売上表を使うなら、「日付」は受注日と入金日のどちらか、「金額」は税込みか税抜きか、「担当」は現在の担当者か受注時の担当者かを見直すとよいでしょう。同じ名前の列があっても、意味を決めるのは業務を知る本人です。AIへの依頼は、表の意味を確かめる作業の代わりにはしない、という考え方が役立ちます。
見出しを見るときは、集計したい単位も一緒に考えます。「月別」と言うならどの日付を使うのか。「担当者別」と言うなら担当者の表記が揃っているか。「件数」と言うなら行数を数えたいのか、案件を数えたいのか。依頼前にこうした問いを書き出しておくと、返ってきた結果を判断しやすくなります。
依頼する範囲と完成形を言葉にする
表を見直したら、次は依頼の完成形を決めます。おすすめは「対象」「計算・観察したいこと」「出力の形」「確認したい点」を短い文に分けることです。たとえば「売上表について、担当者別の金額を集計し、合計が大きい順に確認したい。対象期間と金額の定義も示して」といった形です。これは依頼の組み立て方の例であり、結果の正確さを保証する書き方ではありません。
分析を頼むときも、最初から広い問いにせず、先に集計の基準を決めるとよいでしょう。「売上が落ちた理由を教えて」より、「月別の売上推移を見て、変化が大きい月を挙げて。原因は断定せず、追加で確かめたい項目を示して」のほうが、結果を自分で検討しやすくなります。AIが示す見方と、業務上の原因判断を分けるためです。
Copilotを開いて作業を頼む手順
公式ヘルプに沿った開始方法
Microsoftの公式ヘルプに書かれた範囲で、開始から確認までの流れを示します。画面上の表示や利用できるモードは、使っている環境でも確認してください。
- Excelの右下隅にあるCopilotアイコンを選択します。
- 目的に応じて、編集、計画、チャットのモードから選択します。
- 依頼したい内容をプロンプトとして送信します。
- 編集モードでブックが変更された場合は、ウィンドウでCopilotの推論を確認し、ブックに反映された変更が意図と一致するか確かめます。
途中で止めたい場合は、チャット入力フィールドの右側にある[停止]ボタンを選択します。開き方や操作で迷ったら、上記の公式ヘルプの手順に沿って確認しましょう。
変更するか質問するかでモードを選ぶ
ExcelのCopilotは、既定では編集モードで開きます。編集モードは要求に基づいてブックを直接編集でき、計画モードは編集前に計画を作り、チャットモードは応答をチャット内に含めます。違いを意識せずに頼むと、「質問したかったのに変更する依頼を書いた」といった行き違いが起きやすくなります。
使い分けの考え方(目安)として、次の表を参照してください。各モードの動作は公式ヘルプに書かれた内容です。右列は、作業目的から選ぶ際の目安として読んでください。
| モード | 公式ヘルプに書かれた動作 | 使い分けの考え方(目安) |
|---|---|---|
| 編集 | 要求に基づいてブックを直接編集できる | 集計結果や数式をブックに反映したいとき |
| 計画 | ブックを編集する前に計画を作成する | 複数の作業をどう進めるか、先に確認したいとき |
| チャット | 応答をチャット内に含め、ブックを変更せずに分析情報を得られる | 表を変える前に内容を質問したいとき |
たとえば、何を集計すべきか迷っているなら、まず目的と表の項目を説明し、進め方を相談する使い方が考えられます。必要な結果が決まったら、対象と出力の形を明示して依頼する。ブックを変更する作業では、実行後の確認までを一組にするとよいでしょう。
集計と分析を頼む方法
集計は単位と計算対象をセットで伝える
ExcelのCopilotは、プロンプトに基づいて計算し、データを集計できます。また、データに関する質問への分析情報を、グラフ、ピボットテーブル、要約、傾向、外れ値として表示します。「外れ値」とは、ほかの値から大きく離れた値を指す言葉です。集計結果を見たいのか、そこから傾向を読みたいのかを分けて頼むと、返答を評価しやすくなります。
たとえば同じ売上表でも、「担当者別の売上金額」「月別の案件件数」「商品別の平均金額」は別の問いです。そこで、依頼前に「何で分けるか」「どの列を計算するか」「合計・件数・平均のどれを見るか」を決めるとよいでしょう。完成形が表なのか、傾向の説明なのかも添えます。
次は売上表を想定した依頼文の例です。列名や期間は、自分の表に合わせて置き換えてください。
このブックの売上表を対象に、受注日を基準とした月別の売上金額を集計してください。売上金額は「金額」列を使い、結果を月と合計金額が分かる形で示してください。集計に使った日付列と金額列も説明してください。
この例の狙いは、「月別」と「売上」だけに判断を任せないことです。自分の表に受注日や金額という列名がないなら、そのまま使わず、実際の見出しに書き換えましょう。提示された合計は、対象月や元の値と照らしてから使うとよいでしょう。
分析は事実と解釈を分ける
ExcelのCopilotは、並べ替え、フィルター処理、条件付き書式などを使って、注目したいデータに焦点を当てられます。グラフやピボットテーブルも作成・編集できます。ただし、「変化が見えること」と「変化の原因が分かること」は別です。まずどこに変化があるかを問い、次に業務上の背景を自分で確かめる、という順番をおすすめします。
このブックの売上表について、月別の売上金額の傾向を見てください。前の月と比べて変化が大きい月を挙げ、確認した数値と一緒に説明してください。変化の理由は断定せず、追加で確認したいデータを箇条書きで示してください。
「Excel分析AIに原因まで答えてほしい」と思う場面ほど、問いを小さくするとよいでしょう。変化した月、影響が大きそうな区分、追加で必要な情報を順に切り分けます。説明がもっともらしく見えても、表にある数値で確かめられる部分と、推測に当たる部分を区別して読むことが大切です。
数式と関数作成を頼む方法
Excel Copilotの関数依頼は計算の目的から書く
ExcelのCopilotは数式を扱い、プロンプトに基づいて計算を実行したり、複数のシートに数式を適用したりできます。「Excel Copilotで関数を作りたい」ときも、関数名だけを先に指定するより、何を求めたいかを説明する使い方が考えられます。数式とは、セルの値などを使って計算する式のことです。
たとえば「利益率を出して」では、どの列を売上、どの列を費用として扱うのかが曖昧です。「売上金額と費用から利益率を求めたい」「費用や売上金額が空欄の行はどう扱うか確認したい」のように、計算の意味と気になる例外を伝えるとよいでしょう。表の列名を確認し、自分の業務で使う定義と一致させることが先決です。
このブックの案件表で、「売上金額」列と「費用」列を使って各案件の利益率を求める数式を考えてください。利益率は(売上金額-費用)÷売上金額として扱います。数式と計算の考え方を示し、売上金額が空欄または0の行をどう扱うか、適用前に確認してください。
上の計算式は依頼文の例であり、すべての職場に共通する利益率の定義を示すものではありません。特に空欄や0を含む行では、期待する扱いを先に決めるとよいでしょう。提案された式は、分かりやすい行を選んで手計算の結果と比べてから利用してください。
作られた数式をどう確かめるか
数式を受け取ったら、式の見た目だけでなく、参照する列と計算結果を確認します。「この式はどの値から何を出しているか」を自分の言葉で説明できるかが目安です。集計表やグラフに使う場合も、その前提となる数式を確認しておくと、後から数字の意味を説明しやすくなります。
試しに、計算しやすい行、空欄がある行、普段より大きな値の行を選んで比べるとよいでしょう。想定と違ったら「この行では期待値が○○になる。参照した列と計算の順序を説明して」のように、具体例を添えて聞き直します。修正を頼む前に、そもそもの計算定義が合っているかも見直してください。
職種別に考える使い方
営業は担当者別の数字から確認する
営業担当なら、案件表を見ながら「担当者別の受注金額を確認したい」という使い方が考えられます。最初に担当者名、集計に使う日付、金額の意味を揃えて考えるとよいでしょう。結果を見るときは、合計の大小だけで判断せず、対象期間や案件の数も併せて確認する、という読み方ができます。
事務は差異の確認から始める
事務担当なら、経費や申請の表について、区分別の件数や金額を把握したい場面があるでしょう。AIに広く「間違いを探して」と頼む前に、確認したい条件を言葉にします。たとえば「区分別の合計を見て、前月との差が大きい区分を確認したい」という依頼です。差が出た理由や処理の正否は、元データと職場のルールに照らして判断しましょう。
企画は傾向を問いに変える
企画担当なら、月別や商品別の数値を見て、次に調べるべきことを整理する使い方が考えられます。分析情報を最終結論として扱うのではなく、「どの商品で変化したか」「いつから変わったか」という次の問いを作る材料にするとよいでしょう。
このブックの商品別の実績表について、月別に変化が大きい商品を確認したいです。比較した期間と使った数値を示したうえで、目立つ変化を箇条書きにしてください。原因は決めつけず、企画担当が次に確かめるとよい項目を分けて示してください。
職種が違っても、共通するのは「表の意味を決めるのは人、集計や見方を相談する相手としてAIを使う」という考え方です。依頼の前提が曖昧なら、まず表のどの列を使うかを書き出すところに戻りましょう。
よくある失敗と対策
表の列名だけ見て意味を決めてしまう
「日付」「金額」のような見出しを見ただけでは、自分の業務でどの値を指すか決めきれないことがあります。対策として、依頼前に列の意味と集計対象の期間を確認するとよいでしょう。結果がおかしく感じたときも、プロンプトの言い回しを変える前に、使った列と対象行を見直します。
「分析して」とだけ頼む
依頼が広いと、どの答えなら役立つのかを自分でも判定しづらくなります。対策は、まず「月別の合計」「変化の大きい区分」など、最初に見たい結果を一つ決めることです。そこから追加の問いを作れば、返答と元データを照合しやすくなります。
集計値と原因の説明を混同する
月別の数値に変化があっても、その表だけで業務上の原因を決めるのは避けたいところです。対策として、数値で確認できたこと、解釈、追加で調べたいことを分けて書いてもらうとよいでしょう。説明文を読む際も、その区別を保ってください。
数式を読まずに使う
数式が提示されても、期待する列を参照しているとは限りません。対策は、計算の定義を先に伝え、結果を複数の行で確かめることです。空欄や0など、扱いに迷う値があれば依頼文の段階で問いに含めましょう。
ブックの変更を確認せずに終える
編集モードでは、Copilotが要求に基づきブックを直接編集できます。対策として、依頼した内容と反映された結果を照らし合わせ、集計範囲、数式、表示の意味を確認しましょう。「出力されたから完成」ではなく、「使う前に自分で説明できるか」を区切りにする考え方が役立ちます。
よくある質問
ExcelのCopilotを使うにはテーブル化が必要ですか?
この記事では、テーブル化を利用条件として扱っていません。まず表の見出しや値の意味を確認し、どの範囲を何の目的で扱いたいか整理するとよいでしょう。テーブル化の具体的な操作を行う場合は、公式のヘルプの手順に沿って進めてください。
Copilotのアイコンが見えないときはどうすればよいですか?
Microsoftのヘルプでは、Copilotが表示されない場合、Microsoft 365のサブスクリプションに含まれていないか、組織の設定に基づいて利用できない可能性があると説明しています。まず自分の契約と所属組織の設定を確認し、ライセンスやアクセスについてはIT管理者またはMicrosoftアカウント担当者に問い合わせてください。
集計だけでなくグラフも頼めますか?
ExcelのCopilotは、グラフやピボットテーブルを作成・編集できます。頼む際は、グラフにしたい数値、比較する単位、見たい変化を明確にするとよいでしょう。出来上がった表示は、元データと集計基準を確認してから使ってください。
数式は複数のシートにも使えますか?
公式ヘルプでは、ExcelのCopilotが複数のシートに数式を適用できると説明しています。実務では、対象のシートと計算の定義を依頼文に書き、結果を確認するとよいでしょう。シートによって列の意味が違う場合は、依頼前にその違いも整理してください。
スマートフォンやタブレットでも使えますか?
公式ヘルプでは、ExcelのCopilotをiPad、iPhone、Androidなどでも使用できると案内しています。対応するモードはプラットフォームごとに異なり、AndroidのExcelはChatモード、iPhoneのExcelはChatモードで、編集モードのサポートは運用環境にロールアウトされています。使いたいモードについては、利用する端末の公式ヘルプで確認してください。
どのライセンスならExcelで使えますか?
2026年10月時点のMicrosoftの公式ページでは、Microsoft 365 Copilot (Basic) はExcelなどのアプリ内Copilotへの標準アクセス、Microsoft 365 Copilot (Premium) はフルエクスペリエンスへの優先アクセスとして説明されています。一方、Copilot Chat (Basic) にはExcelのCopilotへのアクセス権が含まれないと説明されています。利用条件は変わり得るため、使う前に公式ページで最新情報と自分の契約を確認してください。
会社やチームで使うなら
チームで同じ表を扱うなら、「金額」や「件数」の定義、確認する期間、結果を誰が確かめるかを先に揃えるとよいでしょう。依頼文を共有するときは、答えの文章だけでなく、使用した列と集計の基準も伝えると、受け取る人が確認しやすくなります。組織のライセンスやアクセスについて疑問があれば、IT管理者またはMicrosoftアカウント担当者に確認してください。法人で導入・研修を考えるなら、株式会社デジライズに相談できます。
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まとめ
CopilotのExcelでの使い方は、表の意味を確かめ、集計単位と完成形を決めてから依頼すると整理しやすくなります。数式や分析情報を受け取った後は、元の値と突き合わせ、自分の目的に合うか確認しましょう。使い方を体系的に学びたい人は、デジライズAIスクールのコース一覧や料金プランも参考にしてください。
出典
この記事は、各社の公式のヘルプ・ドキュメントや公的機関の資料をもとに AI で下書きし、出典の本文との照合とGoogle 検索による事実確認(ファクトチェック)を通ったものだけを公開しています。料金や機能は変わることがあるため、使う前に公式ページで最新の情報を確かめてください(2026年10月24日時点)。
